i地図通信682号 G空間EXPO 2025
先週の1月29日(水)から31日(金)の3日間に亘り、東京ビッグサイト(写真-1)でG空間Expo2025が開催されました。また、共催として国際宇宙産業展、防災産業展、グリーンインフラ産業展が開催されていました。
写真1 東京ビッグサイトの外観
G空間EXPOの会場は南棟の2階、「南4」という会場で、同じ階で仕切りがない「南3」では国際宇宙産業展が行われていました。
エスカレーターで登って近くの入口から入ると、そこは国際宇宙産業展の会場でした。
そして、今までにない衝撃的な展示に出会いました。測量業界では名の知れた測量機器レンタルの株式会社ソーキが、何と国際宇宙産業展に出展していました(写真2)。
「何を展示しているのですか?」と訪ねると、
「イノベーションへの意気込みです」というニュアンスの回答がありました。
商社の兼松株式会社の展示では、小惑星探査機はやぶさ2の1/2モデルと並べ、球状の歯車が展示していました(写真3の銀色の製品)。
はやぶさ2の部品かと覗くと、「全く関係ありません。今までにない円滑な回転ができる歯車です。今までにない、全く新しい用途を探しています。何かアイデアはありませんか」と聞かれました。
写真3 球状歯車(兼松(株))
写真4は、北海道に拠点を持つ株式会社岩谷技研のガス気球T-10 EARTHERの模型です。ビニールの球が気球を表し、気球にぶら下がった銀色の円に見える小さなものが船体で、人が乗船できます。
商業フライトを今年から開始する予定だそうです。費用は2,000万円台からで、将来的には数百万円を目指しているそうです。冥途の土産に良さそうです。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)の展示ブースには、H3ロケットと小型月着陸実証機SLIMが展示されていました(写真5)。左側はH3ロケットの模型で、右側はSLIMの試験機を展示用に仕立て直したものだそうです。
写真6の手前の筒状の物体は、SLIMの燃料タンクです。月に着陸する際の減速に使う燃料をいれたそうです。オレンジ色で縁取られた穴は、展示用に切り取られたものでそうです。奥は、SLIMの実物大展示で、燃料タンクが本体の多くを占めています。
SLIMの偉業を説明するパネルがありましたので、写しておきました(写真7)。
写真8は、日本の宇宙開発の歩みです。
ペンシルロケットから始まっていますが、その生みの親である糸川英夫先生は、筆者が写真測量学会に関連して東京大学生産技術研究所に通い出した頃も現役で、東京大学生産技術研究所で研究をされていました。宇宙開発の急速な発展が分かります。
キャノン電子株式会社が開発した極小型人工衛星CE-SAT(写真9)の部品が展示されていました(写真11から写真16)。CE-SATの撮影方式が解説されていましたので、写しておきました(写真10)。
写真9 キャノングループの宇宙への取り組み 写真10 CE-SATの撮影方式
写真17はグリーンインフラ産業展(南1)、写真18は防災産業展(南2)の会場です。二つの展示会は、左側が南1、右側が南2と、ひとつのフロアーを分割して使用しています。入口が高いところにあり、そこからフロアー全体の写すことができました(注:実際には写真17と写真18は繋がりません)。
G空間EXPO(南4)も国際宇宙産業展(南3)とフロアーを共有しています。ただ、入口とフロアーは同じ高さで、全体を眺望するような写真は写せませんので、写真17と写真18を用意しました。
写真17 南棟1階[南1]グリーンインフラ産業展 写真18 南棟1階[南2] 防災産業展写真19は、東京ビッグサイトの入口にある看板です。
G空間EXPOが開催される南棟は、2019年に建設されたばかりで、ついつい写真左側にある東棟と西棟へ足が向いてしまいます。
写真20は、G空間EXPOに入って右側にある内閣府宇宙開発戦略推進事務局と準天頂衛星システムサービス株式会社の展示です。
手前は物流用ドローン、その左側の赤い帯は海などに浮かべるブイです。
写真21は、準天頂衛星システムサービスのブース前で、最も広い展示をしているジオテクノロジー株式会社の展示ブースです。
今回の展示で最も感じたのは、地理空間情報の整備が進み、広く使われる環境になっているということでした。
写真22は、PLATEAUの立体モデルに人流データを重ねたものだそうです。人の動きが三次元で把握できるのですが、プライバシーの制約によって個々人の取得間隔は粗く、屋内では位置の精度は低くなっています。
写真23は、(株)オービタルネットのブースで、超解像度の技術を展示していました。単一の画像からAIを利用して解像度を上げる方法で、鮮明さがかなり向上していました。
写真24は、(株)MAPⅣのモバイルマッピングシステムです。この手のシステムは、参入者が多いような気がしました。
ちなみにMAPⅣ社の親会社は、自動運転車用オペレーティングシステムを開発しているスタートアップ企業の(株)ティアフォーです。
写真25から写真29は、大手航測会社です。朝日航洋は社名をエアロトヨタに変更するそうで、コンセプトが展示されていましたが、他の航測会社は商品紹介パネルの展示で、画像解析、都市モデル、森林、防災といったテーマが目立ちました。
写真27 アジア航測(株)の展示ブース
写真30は、東京ビッグサイトからの夕日です。ちょっと外国っぽい感じですが、中央のビルの左に富士山が小さく写っています。
また、この写真は2日目の撮影です。他の写真は、1日目です。1日目は展示を、2日目はセミナーを中心に見たり聞いたり対話したりしてきました。
以上(2025年2月2日記)
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