593~597 第9回ジャパンドローン展 Japan Drone 2024
地形測量の観点からすると、UAV関連の展示会には、わざわざ行かなくてもいい状況になっているかと考えつつも、時間が空いたので、2024年6月5日(水)から6月7日(金)に千葉市美浜区の幕張メッセで開催された第9回ジャパンドローン展に、最終日に行ってきました。
右側に「幕張メッセへようこそ」と書いた看板があります。左側の建物は、展示場です。正面の丸屋根の建物はイベントホールです。
正面の下の方に見えるのが階段で、ここから2階にある表口に入ります。
この1、2年は、事前登録時に送信される登録者の名前を書いた登録証を印刷して持参する方法で、会場では受付しなくてよい方法が普及したため、玄関ホールはがらがらです。
なお、正面には並んでいる人達は、事前登録していないか、していても登録証を持参し忘れた人達です。
写真の左奥にみえるオレンジの看板は、リーグルジャパン(株)の展示ブースです。
測量系の出展者は、イエロースキャンジャパン(株)、(株)みるくる、リーグルジャパン(株)、Pix4D(株)の4社のみのようでした。
写真は、日頃登場が少ない、イエロースキャンジャパン(株)(写真4)とPix4D(株)(写真5)に登場してもらいました。
Pix4D等による3次元形状復元(SfM)ソフトは、測量では一通り売れ渡ったでしょうが、モノを扱うあらゆる分野に広がっていくでしょうから、これからも成長が続くのでしょう。
写真6は、AirX(株)の空飛ぶクルマです。測量とは全く関係ありませんが、少し華やかなものもあっていいかなと思い撮影しました。
来年、開催される大阪万博で、空飛ぶタクシーとして活躍するのかもしれません。
写真7は、GMOインターネットグループ(株)の展示ブースで行われていたVR(仮想現実)を用いた空飛ぶクルマの搭乗体験です。
これも測量とは関係ないように思われますが、搭乗体験の主旨は、電波ジャックによる飛行の危機とその回避に関する体験です。回避には、GMO社のセキュリティーソフトが活用されているという想定です。
SNSでのフェークニュースの氾濫などを見聞きしていると、地形測量のためのUAV飛行も、無防備ではいられないでしょう。
ところで、VR体験は、少し酔うような感覚があり、まだまだでした。
写真8は、(株)テラ・ラボの固定翼無人航空機TERRA Dolphin JET 8000です。右奥にも2機、写っていますが、それらは垂直離着陸機です。また、後ろに写っている大型車両は、地上管制システムを搭載したものです。
テラ・ラボ社は、航空測量や航空調査を主な目的として無人航空機を開発しています。2022年12月に改正航空法が施行され、制約は多くありますが、目視外による有人地帯(第三者上空)での飛行が可能となり、航空写真等の撮影も無人航空機に変わる時代が見えてきました。
写真9は、(株)空解の垂直離着陸機FUSIONです。右手前の機体は、前翼が取り外してありますが、カメラとレーザスキャナが胴体に吊してあります。ここにも航空測量や航空調査を無人航空機で担おうとしているゲームチェンジャーがいます。
なお、ずんぐりむっくりの胴体の中にも計器類が装備できるようになっています。
写真10は、NECの展示ブースです。
何故、NECが出展しているのか不思議でしたが、準天頂衛星の地上側システムの開発や運用を担っていて、空間情報ビジネスにも取り組んでいるからだそうです。そのうち航空測量会社が、傘下に取り込まれることもありそうな感覚になりました。
なお、写真中央のパネルの上から二行目には、「ドローン・空飛ぶクルマ 安全運航・監視ソリューション」と書かれていますが、NECは有人航空機に対する管制や運航、監視等に関するシステムや空港管理に関するシステム等も開発しているそうです。
写真11は、ソフトバンクの展示ブースです。いつもパネル中心で面白くない展示ですが、今回、その意図が読めました。
昨年、SoraBaseというサービスが発表され、「空をもっと身近に。もっと自由に。」をコンセプトに、UAVの販売や運航管理といったソリューションビジネスを行っていくそうです。
ここもNECと同様、空間情報ビジネスに取り組む姿が見えます。
測量の現場からはなかなか見えませんが、空間情報ビジネスは思いもよらぬところで拡大しているようです。
写真12は、綜合警備保障(株)ALSOKの展示ブースです。言わずと知れた、測量業界から見れば巨大企業です。その巨大企業にしてはあまりに貧相な展示ブースでしたので、思わず何を出展しているのか聞いてしまいました。
太陽光パネルの調査が軌道に乗ってきたので、業務拡大のために出展したとのことでした。
警備にドローンを使用することは、当然のことながら検討されているようですが、それの拡大で調査分野にも乗り出されているようです。
そういえば、測量業者でも太陽光パネルの調査をやっていると聞いたことがありますが、今では聞かなくなりました。
写真13は、大分県が設立した大分県ドローン協議会の展示ブースです。今回、多くの市町村が出展していますが、大分県が最も力を入れた展示を行っていました。
あまりに人が多くていい写真が撮れませんでしたが、手前の2人の男性の間に見える青い塊は、UAVの本体で、6本の腕が伸びているヘキサコプターです。(株)コイシの所有で、今は使っていず客引きのために持ってきたそうですが、国内で2番目か3番目にリーグルのレーザスキャナを導入した際に製造したものだそうです。
(株)コイシは、工事測量から育っている測量会社だそうですが、今では重機を制御するためのデータを作成するなど、技術力を高め、全国展開しているそうです。
写真14は、RTKを装備したソニー製UAVのAirpeak S1です。RTK搭載UAVが増えてきましたが、ソニーの人間なら知っているだろうと「カメラの主点座標も算出していますか」と聞いて見ました。
答えはありませんでした。
GNSSアンテナを二本装備している理由も聞いてみました。
答えはありませんでした。
写真15は、グローバルシャッターを搭載したソニー製カメラα9Ⅲです。フルサイズのイメージセンサー(固体撮像素子)への搭載は、世界初だそうです。
何故、今更なのかと聞くと、美しい写真が撮れるからだという返事でした。通常は、止まって、止まっているものを撮影しますし、シャッタースピードもそれなりの速度ですので、メーカからみればどちらでもいい気がしますが、新しい競争領域に入ろうとしているのかもしれません。
ともあれ、UAVからの撮影には、大歓迎です。
その他、写真画像のフォーマット等、いろいろと教えてもらい、とりあえずソニー製品についてはすっきりしました。
写真16は、ソニー製の立体表示ディスプレイELF-SR2です。ソニーでは、空間再現ディスプレイと呼んでいます。
テレビで報道されたり、写真測量学会の展示に使用されていたりしていますので、立体表示ディスプレイの存在は知っていましたが、ソニー製だとは知りませんでした。
ディスプレイの上の縁の中央にカメラがついていますが、このカメラで見ている人の右目と左目の方向を捉え、それぞれの方向に立体視を構成する右の画像と左の画像を、それぞれ表示していることがよくわかりました。
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