i地図通信624号 パスコTOB成立 いよいよGAFAを目指す?
GAFA(ガーファ)については、今さらいうまでもありませんが、筆者の定義では、「IT活用を実現する超巨大なインフラ提供者(プラットフォーム)」です。
おこがましいですが、測量に例えると、超巨大な主題図作成を実現する一般図作成者(測量会社)ということでしょうか。現代語訳では、地理空間情報社会を実現する基盤地図情報作成者(空間情報作成会社)。
ちなみにGAFAでは、Googleが検索エンジン、Appleが通信媒体、Facebook(現Meta)が交流インフラ、Amazonが売買インフラを、それぞれ提供しています。今は、PCのOSを提供するMicrosoftも加えられることがあるそうです。
DM時代には、社会活動の7割ぐらいが位置情報に関連していると、測量業界では度々言われました。それまで地図として表現されてきたものだけでなく、日常生活やビジネス、インフラ管理、物流、緊急サービス、環境保護等、あらゆるものが測地座標系で管理されるスマートな社会が構築されると語られました。
その体現は、今では、プラトーやスマートシティなのかもしれません。
ただ、当時のワクワク感はありません。空間情報のプラットフォーマが現れる気配は感じられません。空間情報作成会社が作った空間情報は使ってもらえず、受託して作った空間情報は無料で提供されています。
先月の23日、セコムと伊藤忠商事は、パスコのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表しました。それまでセコムが7割の出資だったところを、75%に高め、伊藤忠商事が残りの25%を所持する目標は達成できなかったようですが、上場廃止はできたようです。
これにより新たな投資を行い、伊藤忠商事の幅広い顧客企業網を活用し、民間市場の拡大も図られるようです。
大小にかかわらず、それなりの測量会社が民間市場の拡大に尽力してきたものと思います。ただ、売上げに占める割合には、20%の壁があったようです。
WordやExcel、PowerPointと並んで、MicrosoftOfficeにGISが入ることも、DM時代には期待されました。ただ、GISには、地理空間情報データの壁がありました。その壁も、外部資本によって取り除かれようとしている気がします。GoogleMaps等に見られるように、技術的な問題はCloudサービスによって解消されています。
ディジタルマッピング(DM)が始まった時代、本格的に利用されはじめたGISとともに見た夢が、空間情報のプラットフォーマの登場によって実現される予感がします。
そのとき、空間情報を更新していく地方の中小測量会社にも、活躍の場があるはずです。
<了>
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